ここでは、将来的にHEMSがどうなって行くのかまとめてみたいと思います。なお、前回の「スマートメーターへの交換」で記載したスマートメーターについてなのですが、次世代HEMSへ対応可能となるものであり、スマートメーターに交換しないとHEMSが使えない訳ではありません。(分かりにくくてすみません・・・。)
<HEMSの未来像>
現状のHEMSでは、分電盤へのCT配線(と言っても配線にクリップするだけ)が必要だったり、HEMSでコントロールできる家電がメーカーで縛りがあるのでちょっと使い勝手が悪い印象があります。
しかし、将来的にHEMSは、以下の通信規格(WI-SUN)、通信プロトコル(ECHONET Lite)へ統一化されることにより、メーカーの壁を越えて各家電の制御が可能となりそうです。
また、今だと分電盤に配線等が必要なのですが、ワイヤレスでの設置が可能となるようです。例として、パナソニックの分電盤「スマートコスモ コンパクト21」には無線機能が付加されており(実はこの分電盤は、我が家の着工後すぐに発売されておりました・・・もっと早く気がついていたら・・・。)計測器具へはワイヤレスで接続可能です。着工前であれば選択可能だと思いますので、一度確認した方が良いかも知れません。
<WI-SUN(ワイサン)>
WI-SUN(Wireless Smart Utility Network)とは省電力無線通信規格でスマートメーターにて採用されています。規格の標準化を主導してきたのは日本の情報通信研究機構(NICT)で、NICTではすでにWi-SUNを利用した多数の実証実験を行っているようです。Wi-SUNの特長は、用途にもよりますが乾電池で10年間の駆動が可能という抜群の省電力性と、雑音に強い通信品質を持ちながら1km弱程度の長距離通信が可能となっています。
<ECHONET Lite規格>
ECHONET Lite(エコーネットライト)は、エコーネットコンソーシアムが策定した通信プロトコルです。スマートハウス向け制御プロトコルとしてISO規格として国際標準化され、2012年2月24日、経済産業省に日本国内でのスマートメータとHEMSを繋ぐ標準プロトコルとして認定されました。
ECHONETが対象としているエアコン、照明、給湯器、太陽光発電システム、蓄電池、スマート電力量計、各種センサなどを、共通のアクセスインタフェースで制御できるようになるため、今までの独自インターフェースによる各メーカー毎の縛りがなくなります。
今が過渡期ということもあり、当分の間、無線通信規格としてはWI-FIとWI-SUNが混在してしまいそうです。このためWI-FIでは、現在使用しているアクセスポイントを使用し、WI-SUN用には新しいアクセスポイントを設置してホームネットワークを構築しなければなりません。まだ数は少ないようですが「SA-M0」のような通信モジュールがあるようなので、これらを使用してホームネットワークにWI-SUN規格の機器が取り込み可能となります。
また、ECHONET Lite規格によりソフト面での統一制御が可能となるため、HEMSの自由度が高くなり、何かを使用する際には何かを停止させる等、今後は自分好みの設定がしやすくなりそうです。ちょっと詳しい人なら、自分でHEMSプログラムを組むことも可能となるとか・・・まさに「見える化」から「いじる化」へ移行して行きそうですね。
androidoの無料アプリで「kadecot」というものがあります。これを使用してECHONET Lite規格の家電のコントロールが可能となるようです。そしてずっと気になっているエアロテックの通信アダプター「P-HM02WA」を調べてみると、なんとECHONET Lite規格に準拠していることが判明いたしました!(但し、床暖房システムの通信モジュールとしてです。)このkadecotを使用して全館空調として制御可能なのか?いつか試してみたいのですが、三菱地所ホームが通信モジュールのみの設置を許してくるれるのかが疑問です・・・。
なんか上手くまとめられませんでしたが(汗)将来的には、各家電とはWI-SUNでの接続が可能となり、その家電の制御方法としてECHONET Lite規格の通信プロトコルが使用されることにより、今よりも簡単に自分好みに設定することが可能となるというお話でした。。。